12月24日(日) ジュネーブ〜ビスプ 〜ツェルマット

 ジュネーブで1泊したことは、何だか折角のツェルマットへの意気込みに足止めを食らった感じで、時間が惜しまれる気がした。



ジュネーブのペンタホテルの前で

 改めてここからツェルマットへの旅が始まったような気がした。大きなスキーケースを車に積んでもらう。「スキーを持っていくのはナンセンス。」「いいスキーが借りられるのでレンタルの方がいい。」というガイドブックや、インターネットからの情報は得ていたが、それにもかかわらず、あえて運んできたスキーだ。「やっぱり自分のスキーで滑りたい。」という気持ちの方が強かった。
 ペンタホテルからジュネーブ空港駅まではわずか数分の距離。現地のガイドの案内で電車に乗る前に両替をした。円建てのトラベラーズチェック6万円を800いくらかのスイスフランに替えた。辰子は現金の自動両替機があったので試しに1万円替えてみたら手数料がかからないので両替機の方が有利だと分かった。
 電車はかなりのスピードでスイスの西から東へ向かって走り、レマン湖を過ぎ、シオンを通 過して、ヴァリス州のビスプという駅に着く。ここからがツェルマット行の登山電車の出番だ。
 この辺まで来ると、そそり立つ岩峰が雪をいただいて目に飛び込んでくるようになり、アルプスが近いことを感じさせる。岩と絶壁と麓の集落の、先鋭さと広がりのアンバランスの調和が、私たちには目新しい。

 


鋭い雪嶺と広々とした草原がまさにスイスだ

 

 落石が怖くないのだろうかと、辰子がしきりに心配している。長い歴史を刻んできた生活に私たちの想像が入り込める隙はない。
 ビスプからの登山電車は、時々ガチャンと大きな音を立てて、歯車をレールの間に敷かれた歯に食い込ませて、急な山腹を登っていく。初めのうちは谷の中を走り、やがて谷の斜面 をトラバースして、どんどんアルプス山中に入り込んでいく。


登山電車が山の斜面を登っていく

 ビスプから1時間余りでツェルマットに着いた。15:48だった。折からクリスマスイブの日。ツェルマットの街は華やいでいた。世界中から集まってきたスキー客。馬車や送迎用の小型四輪。イルミネーションに彩 られた街路。想像していた静かな山岳の街とはほど遠い、賑やかで楽しそうな街だ。


ようやくたどり着いたツェルマットの街は賑わっていた

 荷物はすべて運んでもらい、歩きながら現地の日本人ガイドの説明を聞きながらホテルへ向かう。言葉の勉強に来たのではないので、マッターホルンを眺め、スキーを楽しむためには、言葉の分かるガイドの案内がありがたい。ホテルはイエガーホフという、街の奥まったあたりにある、こぢんまりしたホテルだ。

 


こぢんまりした家庭的なホテル・イエガーホフ

 


    

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