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 カムバ峠を延々下ってヤルツァンポ河畔まで下りてくると、今度は平坦な道路となり、ヤルツァンポ河のとてつもない河川敷が広がる。川沿いの道路をツェタンに向かって走る。このあたりは麦畑の広がる農耕地帯となる。町らしきところは全くない。添乗員が青空トイレに着きましたと言うのでバスを降りると、男性は左、女性は右と指定されて麦畑に入り用を足した。口々に「この方が清潔でいい。」と言ったのには頷ける。
                    
         道路沿いに麦畑が広がる                 道路に車を止めて青空トイレとしゃれる

 かなり走ってようやくツェタンに着く。ツェタンは中国風のこぢんまりした新しい町だ。ソンツェン・カンポ王が吐蕃(古代チベット王国)を栄えさせたところである。

 ある日畑の中に言葉は通じないけれど背の高い美しい姿の男が立っていて、村人たちはこれを王として迎えた。この人が後のソンツェン・カンポ王となった。この王のもとで人々は主として裸麦を栽培し、食糧が豊富なことで国力を高め、やがて吐蕃は大国に成長した。すでにネパールから王妃を迎えていたが、唐の国との親交により、長安からも王妃を迎え、2人の王妃の住まいとして、ラサに宮殿を建てたのである。それがポタラ宮の誕生につながったことは前に述べた。

 比較的早い時間にホテル・ツェタン飯店に到着した。町は静かなたたずまいを見せていた。

                    
        ツェタンのホテル・ツェタン飯店                ツェタン飯店からの眺め