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5月31日(木)

 朝、目が覚めたとたんに激しい頭痛にみまわれていることがわかった。その痛みは半端ではない。昨日も目覚めに少し痛かったが、今日はその比ではない。頭が割れそうにズキンズキンと痛む。思わず枕元においていた酸素ボンベに手を伸ばし、管を鼻にはめて深呼吸を続けた。すぐに1本目のボンベが空になったので、もう1本、家内の分まで失敬した。起きられそうになかったからだ。しかし、昨日も朝食が終わる頃には楽になったので、今日もそれを期待して朝食に行った。例によって洋食のバイキングだったが、控えめに食べて高山病の症状の治まるのを待った。するとやっぱり食事が終わる頃には楽になった。そこで考えた。きっと眠り込んでいる間に酸欠の状態になっているのではないか。そういえば昨夜は早く休みすぎた。睡眠時間が長いだけ酸欠もひどくなるのでは・・・と。起きているときは意識して深呼吸をしているが、眠り込んでしまうと、呼吸は弱くなる。まさか睡眠時無呼吸症候群でもないだろうが・・・。

 朝は9:00に出発というのがありがたい。大抵の旅行が8:00か、それよりも早い。頭痛の気のする中、少しでもゆっくりの方がいい。それにしても、いち早くダウンした家内が今元気なのが不思議だ。
 今日の最初の観光は、ジョカン寺(大昭寺)周囲にある八廓街(バルコル)を巡る体験だ。今日はたまたまお釈迦様の誕生を祝う祭りの最後の日ということで、ラサの街もこの八廓街も時計回りに巡礼する人の波が続く。チベット中から集まった人たちが喜捨といって、恵まれない人たちに小銭を分け与えていく。多く与えるだけ供養になり、極楽に近づける恩恵が与えられるのだ。恵んでもらう人はうずくまって座っている。分け与える人は時計回りに巡礼しながら与えていく。この相互扶助の精神はイスラムにもあるが、そういう国にはだからどん底の貧困はないように思える。
           
 時計回りに巡るラサに集まった人々       八廓街は人で埋まっている        八廓街を一通り回ってみた(拡大)
 この日の昼食は有名なネパール料理のレストランでネパール料理をいただいた。今までの中華料理やチベット料理はおいしかったが、このネパール料理だけは、見た目は同じようでも、どうしても受け付けがたい香辛料が使われていて、苦戦した。みんなで囲んだ料理だったが、大半を残してしまった。しかし、スタッフの娘たちは気さくで、そろって写真も撮らせてくれた。
                     
         ネパール料理は香辛料がきつかった              スタッフの娘さんたち(拡大)
 午後は八廓街の中心にあるジョカン寺(大昭寺)の見学だったが、あまりにも人が多く、寺院の前の広場で時間つぶしをしたりして見学のタイミングを待った。マニ車という手に持って回す仏具を持って、ひたすら祈る老婆の姿が印象的だった。ジョカン寺の周囲では五体投地を繰り返している人も多くいた。始めたら1万回は続けるのだという。気が遠くなる思いだ。
                     
     

 

マニ車を回してひたすら祈る老婆        ジョカン寺の横で五体投地を繰り返す人たち