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 ポタラ宮はラサの中心部に建ち、「垂直のベルサイユ」とも言われ、世界遺産となっている。7世紀にチベットを統一したソンツェン・カンポ王が洞窟のような住まいを建てて住み始めたのが始まりで、その場所に17世紀になって、仏教・政治両面でチベットを統制したダライ・ラマ5世が宮殿の建築を始め、その後も工事は続けられ、現在の形が完成した。ポタラとは「観音様の住むところ」という意味で、ダライ・ラマこそ観音様の生まれ変わりと信じられているのだから、この宮殿の主はダライ・ラマ法王である。実際にポタラ宮は歴代のダライ・ラマ法王の宮殿となった。

 見学は定められた時間だけ許され、ゆっくりしていられない。しかし標高は3600mもある上に、かなりきつい階段の坂を登って行かなくてはならない。ハアハア息を切らせながら登った。観光するには体力がいる。そう思わせられることがたびたびある。そういえば同行のみんなが元気でたくましい。中に入ってからはガイドから撮影を禁止されたので、せっかくのダライ・ラマの霊塔なども画像がないのがとても残念だ。

  
           
 予約制なので入口はそんなに混雑していない  階段を登っていくのはとてもきつい  白宮と呼ばれる政治部門のあるところ(拡大)
 一番の見物はすべてのダライ・ラマ(6世のみを除いて)の霊塔の中で、巨大な黄金に輝く5世ダライ・ラマの霊塔だった。口では言い表せないほどの豪華絢爛で、中にはダライ・ラマ5世のミイラが入っている。3.7トンの黄金が使われ、宝石がちりばめられた美しさといえば想像がつこうというもの。6世のみが行いが悪くて追放になったのを除いて、歴代13世までのダライ・ラマのミイラがそれぞれの霊塔に納められている。ポタラ宮はミイラがいっぱいなのだ。 一方、現在のダライ・ラマ14世はチベットが中国軍に攻められた1959年にインドに亡命し、亡命政府を立てて活動しており、チベット人の絶大な信仰を集めているのは周知のことである。
 ところで白宮の前の広場では、大勢の人たち(ほとんど女性)が手作業で建設作業をしていた。歌を合唱しながら、土間を固める作業をしていて、珍しい風景だった。最上階から見下ろすと、ラサの街並みがきれいに見えた。高層ビルは今のところ一つもない。
                     
        ポタラ宮内で建設作業をする人々(拡大)            宮殿から見下ろすラサの街(拡大)