ノルブリンカの次はチベット博物館へ入った。石器時代からのチベットの文物や民具などが展示されている。特にタンカ(仏画の掛軸)が豊富で、チベットの遊牧の民が、仏像を持ち歩くのは大変だったため、掛軸を持って移動したことを反映している。代々のダライ・ラマの金印や秘宝なども多くあった。撮影は難しかったが、やっと金印1つと鳥葬の時につける面というのを写すことができた。
チベット博物館はオープンして間がない ダライ・ラマの金印の一つ 鳥葬の時に使うという面は不気味だった
博物館だというのにかなりのスペースをとってチベタングッズの売店があった。特に人気の宝石が3種類ある。ズィ(目玉石)は古代の海の生物が化石化したもの。山珊瑚は海の珊瑚が山からとれる。そういえばヒマラヤ山脈は海の底が隆起したのだそうだから、山から古代の海のものが出てきても不思議ではない。それとトルコ石だ。ズィが白黒、珊瑚が赤、トルコ石が青でどれもきれいだ。日本語のうまい店員がズィの本物と偽物の見分け方を教えていた。巷で売られているのはほとんどが偽物のようだ。
ズィの本物と偽物の見分け方を教える店員 山珊瑚を使ったアクセサリー 写真上がズィのアクセサリー
博物館を出るといよいよ待望のポタラ宮への巡礼だ。バスの窓から遠くその姿が見えたとき、ジンと熱いものがこみ上げてきた。ずっと前からこの写真を目にし、一度行ってみたいと思い続けていた場所だ。バスが正面に来たとき、こんな荘厳な建物がほかにはないと思った。歴史あるスペインの宮殿、華麗なるフランスやロシアの宮殿、美しいノイシュバンシュタイン城、それらのどれにも勝る荘厳さがこのポタラ宮にはある。紅山(マルポ・リ)という山の上に建っているということもあろう。焦げ茶と白壁のコントラストと横への広がりが、この宮殿を際だたせている。