真昼でも照明灯がついているスキー場

 二つ目に驚いたことは、寒さだ。朝食のとき、ホテルの伝言板に-40°Cになる予想なので、オプションの犬ぞりツアー、トナカイサファリ、湖上の穴釣りなどは中止すると掲示してあった。ホテルの本館とコテージを移動するほんの2、3分の間に、睫 毛は凍るし、頬は痛いくらいに冷える。鼻の穴も凍りつくし、息を吸い込むと気管がおびえて咳が出る。
スキー場へは昼頃出かけ、義貴と康二のスキーを3時間レンタルして、私と辰子ははるばる日本から持参したスキーで3時間ほど滑った。
初めて体験する氷点下40度という寒さの中、眼以外はすべて覆って、重装備で寒さをしのいだが、我慢できなかったのは手袋だった。自慢の高級スキーグローブもここでは通 用しなかった。あまりにも手が冷たくて、地元の人の手を見ると、スキーグローブの上にもう一枚ミトンをはめていた。それを見た後はよけいに冷たさを感じ、指先が凍傷にかかるのではないかと心配したほどだった。
雪はきしんで滑りが悪く、スキー場にはスキー客もまばらだった。どうも寒すぎて、ここシルッカはスキーは今一だと言わざるをえない。

   

寒くて顔を覆うしかない

 スキーから帰りに、道路の両側にグラスにろうそくを灯して、整然と並べていくのを見た。道という道のすべてに、灯火のラインができて、とても綺麗だった。そういえば、今日はクリスマス・イブ。日本のようにジングルベルが鳴り響き、にぎやかに商売をするのと違って、静かに聖夜を祝う感じは、さすがヨーロッパだと実感する。コテージのテレビでも、クリスマス特集でサンタクロースやトナカイのそりが登場し、各地の荘厳な教会のミサなどが紹介されていた。

                 

 昼なのに太陽の見えない空



 

ラップランドを見下ろして滑る



 

テレビ放送はクリスマス一色だ



 

ホテル・シルカンタハティーの本館

 部屋に帰ったのは3時過ぎで、夕食まで時間があったので、軽食をとったあと少し休憩。8時過ぎに夕食に出かけ、バイキングをたっぷりいただいて、時間をかけておしゃべりをし、楽しく過ごして帰り、サウナを温めて入った。水をかけて蒸気をたてる方式で、とても快適。ほかほか暖まって、暖炉を燃やしながら眠る。サンタがやってくる夢を見て。

 


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