ラムゼス2世像の前を通り、中に入ってまず驚いたのが大列柱室だった。とてつもなく太い列柱が、なんと134本も立っている。しかもそれが犇めきあうように密集しているので、その重量 感に圧倒される。その上、例によって隙間なくレリーフが施され、それぞれに確固たる物語を伝えているのである。


列柱の太さと多さに驚くしかない

 列柱室を出て奥に進み、ハトシェプスト女王のオベリスクの前にうずたかく石が積み上げられているのを見た。それは驚いたことに、エジプト人が女性の支配者を嫌って、そのオベリスクを隠すべく石を積み上げたのだと聞いて、民衆のエネルギーも相当なものだと感心した。
 それからさらに奥へと進み、トトメス3世の祝祭殿からアモンラー神の至聖所を抜けて、神殿の外に出た。そして振り返って見て、この神殿の巨大さを思い知らされたのである。 


ハトシェプスト女王のオベリスクのヒエログリフ


奥から振り返る神殿の姿


司祭が身を清めたという聖なる池に移るカルナック神殿
 
 司祭が身を清めたという聖なる池がそのまま残っていて、結構大きなその池に神殿の塔門が映って、神秘的な美しさを呈していた。

そのすぐ近くに大きなスカラベ(ふんころがしという虫で神の化身とされる)の像があり、これの周りを7周すると幸福になれるというので、みんなでぐるぐる7周回った。


大きなスカラベの像 周りを7周回る

 また地震で倒れたハトシェプスト女王のもう1本のオベリスクが展示してあり、その実物に触れて、感動した。


倒れたオベリスクに触れてみて感動した

 再びバスで引き返し、船着き場に近いルクソール神殿に行った。カルナック神殿より規模が少し小さいが、形はよく似た神殿だった。ただ注目したのは、正面 にあるオベリスクが1本だけ残り、右側のは台だけしかないことだった。説明によると、この地の一時的な支配者になったプトレマイオスが、大時計と交換にフランスへプレゼントしたためで、そのオベリスクは、現在パリのコンコルド広場に立っている。そういえば、パリに行ったとき、大都会には珍しい石の塔が聳えているのを見た覚えがある。
 残った1本のオベリスクは、折からの夕日を受けていて、ちょうど逆光になった。


ルクソール神殿に残る1本のオベリスク



 

 

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