12月27日(金)

 朝、8時に西岸観光が始まる予定だったのに、8時が9時になり、10時になっても船が停まらない。不審に思いながらも、部屋の窓から、あまりにも印象的なナイル川沿いの住民たちや家や風景を、8ミリビデオに撮りながら楽しんだ。


 遙かなるナイルの流れ


 太い棗椰子の木、小さくて黒い山羊、大声で「ハロー!」と繰り返す子供たち。大人たちさえも手を振っている。おおらかなナイルの人たちに喝采を送りたい気持ちだった。
 よく見ると川岸は断崖になっていて、ナイル川がもたらした2〜3mもある肥沃な土の層を、再びナイル川が浸食している。地球の悠久の営みだ。その断崖に立っている人を見て、人間のはかなさを思った。


ナイルの岸には棗椰子が茂る


ナイル川が浸食する断崖に立つ人


ナイルの水を汲む人たち


船に向かって手を振る若者たち


船が犇めくルクソールの船着き場に到着した

 実は船がエスナというところの橋の下の水門をくぐるとき、ゲートが開かなくて、ルクソールに着くのが、2時間も遅れてしまったのだという。
 エジプトでは予定の時間はおろか、飛行機でさえも、飛んでくれればいい方だというから、まあこれくらいの遅れはよしとしよう。
 ということで、予定が変更され、まず東岸の観光から始めることになった。
 東岸はなんと言っても、エジプト最大の神殿であるカルナック神殿が有名で、バスに乗り換えてこの神殿に向かう。
 東岸は生者の街だから神殿がある。西岸は死者の国だからお墓がある。というわけで、東岸の代表であるカルナック神殿はさすがにすごかった。
 何がすごいかといって、その規模の大きさ、列柱の多さ、造られた年代の幅に驚かされる。これは代々のファラオたちが次々と増築を重ねた結果 だという。
 羊を祀る神のため、参道には羊の顔をしたスフィンクスが40頭も並ぶび、神殿はパリのノートルダム寺院がすっぽり中に入ってしまうほどの大きさだという。ドキドキしながら参道から入る。


カルナック神殿の参道 両側に羊のスフィンクスが並ぶ

 

 


 

 

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