まるで等高線のように砂山を耕してあるので、上空からそれが等高線そっくりに美しく見えた。不毛の砂漠が広がっていたのに、急に耕地が広がるこの変化が大陸らしい。




西安が近づくとまるで等高線のように山の上が耕されている(拡大)



 西安が近づくと、段々畑がやがて四角形の農地に変わり、平野になったことが分かる。


西安近郊の農地は区画がはっきりしている(拡大)

 西安に入って驚いたことは、気温が高いことであった。40°Cは超えているだろう。この夏、50゜Cという日があったそうだが、それでも天気予報では39゜Cとしか発表されないのだそうだ。なぜなら、40゜C以上だと、会社等が休みになるという取り決めになっているからだという。このへんが日本とは違う。


西安近郊には陵墓が多い(拡大)

 中国はどこでも交差点の信号機が少ないが、西安も例外ではなく信号が無いので、交通が大変だった。自転車が多いのも中国の特徴だが、止まった方が危ないとばかり、歩行者も自動車に負けずに横切る。私たちも町の中心である鐘楼に行ったときは、集団で車の往来の激しい大通りを横切った。まさにみんなで渡れば何とかなる、という感じだった。とても日本人一人では渡れない。
 城壁に囲まれた西安の町は、西の城門をはじめ、東・北・南の城門があり、中央には鐘楼がある。西の城門がシルクロードの出発点ということで、この城門の二階に上がって、シルクロードを眺めた。果てはローマまで続くシルクロードは、ここから1万3千キロ。歩いて3年もかかると聞いて、気が遠くなる思いだった。緑の街路樹が茂る道は、街並みと空にかき消されていて、感慨深いものがあった。


 
重量感のある西安の西の城門(拡大)




西の城門から始まるシルクロードは街路樹の中に消えていた(拡大)



 西の城門の次は、西安の中心にある鐘楼の見学をした。バスを降りて、混雑する道路を必死の思いで横切って、鐘楼に上ると、西安の町がまるで京都のような感じで、町のあちらこちらに楼閣が見える。洛陽・長安・西安と、歴史を刻んで栄えてきたこの町を、奈良や京都がモデ
ルにしたことは、この目で見る限り、間違いないようだ。

 



 城壁はまるで道路のように西安を囲む(拡大)



鐘楼から見た西安の中心街 遠くが西の城門(拡大)

 ただ写真でも分かるとおり、西安は誇り(埃)高き町だ。北に広大な黄土高原をひかえているので、四六時中黄砂が舞い降りて、町中が霞んでいる。
 今日の宿舎ははJAL系列の皇城賓館というホテルで、夕食の餃子が24種類も出たフルコースには、大満足だった。

 


 

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