これ以上の幸運はない。何故かというと好天でないと、イタリア側に下っていてリフトが停まるとスイス側に帰ってこれなくなる心配があるので、チェルビニアへ下りることができないのだ。
クラインマッターホルンからの下りはまるで宇宙感覚だ
快晴の中を張り切ってイタリア側へ下っていく。雪質もむしろ低温過ぎて滑りにくいぐらいよい。ビデオを撮りながら辰子の後を追う。少し下った所で休憩をした。
イタリア側のレストランでカフェオレをいただく
イタリア側ではマッターホルンもずいぶん形を変え、名前もモンテチェルビーノとなる。
イタリアのレストランで名物のカフェオーレをいただく。しかしその味よりもあたりの風景に心を奪われてしまっていて、出発すると言われてあわてて一気に飲んだ。
チェルビニアの町までの滑降はすばらしかった。大きな急斜面のバーンが続いていて、滑っても滑っても終わりが来ない。辰子の滑りが気になったが、彼女も私の心配をよそにヒラリヒラリとパラレルターンで下っている。できるだけ先導したが、その必要もないくらいだった。
山と氷河の迫る小さなチェルビニアの町
チェルビニアの町は小さな町だった。
チェルビニアから見上げるモンテチェルビーノ
昼食が終わって外に出ると、空が曇ってきていた。モンテチェルビーノも雲に隠れてしまった。まずロープウエーに乗り、さらにゴンドラを2つ乗り継いでスイス国境まで帰り、頂上で記念写
真を撮った後スイス側の滑降に入る。少し風の出てきた中を下っていく。所々アイスバーンの出てきたところもあったり、またかなりの急斜面
もあったりする中、2kmも続く平地のような緩い斜面で直滑降をしたりと、変化に富んだ楽しいコースだった。グループ行動なので止まってビデオを撮りたい所もあったが我慢した。もう2度とは来られないかも知れないのに。
チェルビニアへの下りは18kmぐらい。そして帰りのスイス側の下りも12kmくらいで、あわせて30kmにもなるのに、同じ所は2度と滑らないというところがすごい。
午後になると下ってゆく人が多くなる
フルグというゴンドラの終点まで降りてきて、シュバルツゼーに行く予定だったが風も出てきて中止した。かなり疲れてきてもいるし、もう充分という気もあったので、ロープウエーを乗り継ぎ、フーリを経由して街まで下りてきた。街は案外穏やかで、多くの人で賑わっていた。
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