2. 筋肉とはどのようなものか。
(1)滑り込み(滑走)説
運動するときは筋肉が縮むことによって体を動かすが、そのとき筋肉はどのように働くかというと、筋繊
維の中の筋原繊維が滑り込むことによって縮むといわれている。
筋原繊維の収縮
(2)どのようにして筋肉は太くなり、筋力は強くなるのか。
A オーバーロード(過負荷)の原則
オーバーロード(過負荷)とは、筋肉に過度な負荷をかけることである。つまり、これ以上繰り返せない
ところまで力を使うことである。具体的には10回程度しかできない重さを使った動作を4セット程度行うと
いう方法である。
この方法によって、筋肉に過度な負荷がかかり、筋繊維に損傷が起こるが、それはトレーニング後の休養
と栄養補給によって、前よりも太く(強く)回復(超回復)する。こうして筋繊維が太くなることで次第に
筋肉が太くなり、筋力が向上するという 考えである。
筋繊維の変化
B 漸進性の原則
漸進性とは、少しずつ負荷を高めていくことである。具体的には10回が限度だった動作が、15回もできる
ようになると、再び10回程度しかできない重さに増やしていくことである。急に重すぎる負荷にしてはいけ
ないし、いつまでも同じ重さでやっていても効果は上がらない。丁寧に記録をつけるなどして、少しずつウ
エイトをあげていく。そのウエイトの増加は筋量の増加にに比例するはずだ。
C 筋肉の質について
生まれつき短距離走の速い人と長距離走が得意な人があるのはなぜだろうか。
筋肉はその働きの性質から速筋繊維(白筋)と遅筋繊維(赤筋)の二つに分けられ、筋肉の速筋繊維の割
合が高いほど短距離走型で、逆に遅筋繊維の割合が高いほど 長距離走型の力を発揮する。これはかなり遺伝
的要素が高く、その比率を変えることは難しい。
◎特質の比較
速筋繊維型(白筋型) 遅筋繊維型(赤筋型)
収縮速度が速い 収縮速度が遅い
強い力を出す 力は強くない
長持ちしない 長続きする
短距離走型 長距離走型
例 近海魚・白身の魚(鯛) 例 回遊魚・赤身の魚(マグロ)