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6月2日(土)
 今日は今までで最高に楽な朝だ。やっと帰るようになって高山に慣れてきたみたいだ。ツェタンからの帰途、ラサ空港へ向かうバスが、ヤルツァンポ河に沿って走るときすばらしい景観に出会った。今までかなりこの河畔を走っていたが、この美しさに気づかずにいた。車を止めてもらってシャッターを切った。 

 この河はヒマラヤ山脈の北側をずっと1000kmも東にたどらされ、やっとヒマラヤの東の果てで南に下り、プラマプトラ河となってガンジス河に合流する。このヤルツァンポ河こそチベットの大動脈であり、文明の母でもあるのだ。あまりにも川幅が広く、ひとたび砂嵐が起こるとその影響は計り知れない。川の砂が山に吹き上げられ、山の砂漠化が進んでいるのだ。その対策のために日本も協力しているのだとか・・・。思いがけない話だった。

           
 ヤルツァンポ河の上流側(拡大)    下流側を見れば川幅の広さがわかる(拡大)   山に砂が吹き上げられてまるで砂山だ(拡大)
 最後の観光は空港へ行く途中のミンドゥリン・ゴンバ(敏珠林寺)の見学だった。ちょうどお寺の行事があるらしく、信者たちが多く集まり、お布施に収穫物の麦や大豆、粟、それにヤクの糞を乾かしたものなどを持ち寄っていた。若い僧たちは寺の中庭で曼陀羅づくりなどの実習をしていた。
           
ミンドゥリン寺は修復されたばかりだ    寺の壁にもたれて喜捨を受ける人たち   若い僧が実習で曼陀羅を作っているのだという
 観光を終えてラサ空港まで戻り、搭乗手続きも終えて搭乗待合室に入って待っていたところ、一つのアナウンスとともに室内がどよめいた。なんと砂嵐で飛行機が飛べず予定の便が欠航になったというのだ。思いがけないアクシデントにみんなとまどいを隠せなかったが、航空会社の方でホテルを手配してくれて助かった。そして翌日の飛行機でラサから成都へ、そして成都から北京へ飛び、やっと夜になって北京から関空へと飛んで、帰ってくることができた。                                                                夜9:00を過ぎて関空に着いたとき、まるで家に着いたようにほっとした気持ちになった。関空に一晩泊まり、翌朝早い便で津山に帰ってきた。今までになくいろいろなことがあった旅だった。
                              
                         空港も砂嵐で視界がきかない(拡大)