無錫と太湖の船着き場への道路は拡張工事が急ピッチだった。なんでも「無錫旅情」という歌のヒットで、にわかに無錫が脚光を浴び、観光客が多くなったからだそうだ。町の繁栄も何が縁になるか分からない。



太湖に続く無錫の道は拡張工事中だった


 養殖の淡水パールを生産している工場にも寄った。


養殖の貝の中にたくさんの真珠が育っていて驚いた。

 次は錫景公園を見学した。錫山と恵山という二つの山にまたがる広大な公園で、「天下第二の泉」というのが印象に残った。唐代の茶人である陸羽が名付けたという。多くの楼閣と太湖石を配した庭園がみごとだった。
 太湖石というのは、太湖がまだ海だったころに、海底にあった岩石で、後に湖底から採取したもので、侵蝕された形の変化と、白い色とが異彩 を放っていた。表面は白いけれど、磨くと水晶のように透明になって艶が出るので、とても高価な庭石として、随所に置かれていた。


錫景公園の一部

 昼食は無錫料理で、白魚(はくぎょ)の唐揚げ、しらうおの卵とじなどに、なんといっても呼び物は名物の豚のスペアリブだった。ビールを飲み、紹興酒もいただいて満足でした。


天下第二の泉の水


太湖石は海水が侵蝕した大理石のようだ

 それから、午後の観光地である蘇州に向かう。無錫からバスで1時間程度の距離だ。「天に極楽あれば、地に蘇州あり。」といわれる蘇州は、「蘇州夜曲」であまりにも有名である。気温が午後になってどんどん上がり、37°Cにもなったという中、蘇州ではまず虎丘に行った。遠くに「ピサの斜塔」ならぬ 、傾いた塔が見えてきて、それが虎丘にある雲巌寺塔だった。15°傾いているので、中国版「ピサの斜塔」と言われているそうだ。蘇州を都とした呉王夫差の父を埋葬してあり、埋葬して3日後に、白い虎が現れて墓を守ったことから虎丘と呼ばれるようになったという。傾いた塔の周りを歩きながら、地震がないおかげで残っているというこの塔も、雷には勝てず、てっぺんは雷で壊れて修理したため、そこだけ真っ直ぐになっているという説明を聞いた。


虎丘の雲巌寺塔は15度傾いている



円い通路が珍しい


 


 

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