今日の昼食は宮廷料理だった。つまり薬膳料理で、皇帝たちの健康によい薬草や食材で作られていたものが、庶民にももたらされたものだ。香辛料の効いた味だったが、結構美味しかった。
昼食は宮廷料理の店だった
昼食後砂嵐がやってきて、北京の街中が砂に煙った。黄砂かと思ったが、実は道路工事などの現場からの塵埃だったようだ。風がなければスモッグ。風の日は砂嵐。しょっちゅう黄砂も飛んでくる。埃高き街だ。
午後は天安門広場へ行く予定だったが、風が強すぎてバスの中で待機して過ごした。結局天安門は諦め、バスで再び移動して、天壇公園へ行く。
皇帝が神を崇め、五穀豊穣を祈った所。なんと故宮の4倍もの広さがあるが、建物は少ない。その中の天台は大理石の三層の台で、樹木界、人間界とあって、中央に天界がある。皇帝が、その天界の中心で祈りを捧げた。
この天台の中心の天界で皇帝は祈りを捧げた
また、皇穹宇という建物があり、円状の壁は回音壁といって、音が回って反射をしない。一方、射音石という石があって、そこは壁から四方へ等距離なので、小さな声でしゃべっても自分にだけははっきり聞こえる。
皇穹宇という建物には周りに円状の壁がある
いろいろとよく考えたものだと感心する。
そして最後に祈年殿というのがあって、三層の屋根を持つ円形の木造建築で、とても華麗な姿が青空に映えていた。皇帝が正月にここで豊作を祈ったという。こうしてみると、皇帝にもそれなりに大役があって、民衆の期待に応えなければならず、大変だっただろうという気がする。北京で最も高いところにあるこの宮殿は、故宮と並ぶ北京のシンボルだということだ。
祈年殿では皇帝が正月に豊作を祈願した
北京の観光もこれで終わった。3年ぶりの強風が吹いたということだったが、天壇公園ではその風もおさまっていた。むしろその風が空気を清めて、抜けるような青空が広がっていた。そしてやがて、北京に暮色が迫ってきた。
北京の裏町に暮色が迫る
夕食は北京ダックだった。したがって、今回の旅で食べたものはというと、
@飲茶(ヤムチャ) A麺づくし B宮廷料理(薬膳) C北京ダック ということだ。
もちろん、ホテル五洲大酒店の朝食は毎朝美味しいバイキング料理だった。
3月28日(日) 晴れ
今日は帰国日。北京の空は今日も快晴だ。コートはトランクに入れ、やや軽装でバスに乗る。ガイドの曾さんが声を潤ませて最後の挨拶をする。思わずジンとなった。本当に一生懸命のガイドだった。みんなの拍手も大きかった。アンケートに「中国の人はみんな同じ方向を向いているのがすばらしい。」と書いた。これで、この旅も終わった。