香港を後にし、広州へ向けて、中国では初めての列車での旅に入る。車窓には延々と農村風景が続くかと思うと、最近建設された近代的なビルがいきなり林のように聳えていたりして、古いものと新しいもの、貧しさと繁栄の較差の大きさを目の当たりにする思いだった。


香港は中国からパイプラインで水を送ってもらっている


農村は質素な暮らしのようだ

 しかし、そんな姿を示しつつも、中国は確実に近代化しつつある。今に経済的にも国際的

 

深セン経済特区は近代都市だ

にも超大国になっていくであろう。

 広州は中国3大都市の一つということで、混沌とした賑わいを見せていた。ビルの大きさは無制限ではないかと思えるほど、とてつもなく幅の広いものや、尖塔のように細くて高いものもある。大陸的という言葉がぴったりで、日本人の私たちには驚きでしかない。


広州に着くとノッポビルが目に付く

 広州はスケールが大きい都市だという印象が強かった。駅前の道路は幅100mはあるし、ビルはでかいし、車も自転車も人間も多くて、しかもひどく混雑している。

 見学の最初は孫文の中山記念堂だった。折からの夕日に映えてとても綺麗だった。宮殿のような大きな建物の中は劇場になっていて、4000人収容できる客席があった。


夕日に映える中山記念堂

 夕食は広東料理だった。「食は広州にあり。」といわれるほど広東料理は有名だそうだが、ここでは何でも食べる。「飛んでいるものは飛行機以外はみな食べる。四つ足のものは机以外はみな食べる。水の中にいるものは潜水艦以外はみな食べる。」と言って、ガイドがみんなを笑わせた。

 広州から夜9時を過ぎて、飛行機で桂林に向かった。わずか45分のフライトで桂林空港に着いた。

 この桂林空港は10月に完成したばかりということで、中国では3つ目に大きい、最新の飛行場になったということだ。夜なので外観はよく見えなかったが、巨大な建物と、とてつもなく広い駐車場と、市街地へ通 じるすばらしい高速道路が整備され、中国が外貨獲得のために、いかに観光に力を入れているかが、この空港を見ればよくわかる。

 高速道路を走っていると、道路脇に現地の農家が見える。電気もガスも水道もなく、いまだにろうそくを使っているという。空港のまばゆいばかりの明るさと、この民家のろうそくしかない暗さとの、あまりの違いに気分がふさいだ。

 桂林の人は日に4回食べるそうだが、その分、夜11:30ごろまで働くので、肥っている人などいないそうだ。
 自転車優先の自転車天国で、桂林の人口80万人なのに、車のための信号機はたったの4つしかないというのには驚く他はない。
 



 

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