6月28日(日)晴れ

 6:30にバスに乗り、一路デリーに向かう。またまた延々5時間のバスの旅だ。
 途中バスが町の中の踏切を通過するときびっくりした。レールの横の溝に何人もの男がしゃがんでいるのだ。なんとそれは朝のおつとめだった。昨日までは野原にしゃがんでいたのを見たが、町中では荒れ地や畑がないので、レールのそばでしていたのだ。
 アグラの町を抜ける間、道路脇に垂れ流しになっている下水に嘔吐がついた。何とも言えない黒い汚水が、よどみながら流れている。悪臭がバスの中まで入ってきて、大変な状態だと思うけれど、ひとたび雨期になると、雨で膝の高さまで水が流れて、あたりが綺麗になるということだから、うまくできているとも言える。

 
農村地帯をしばらく走る


オートバイに3人乗っている


人の犇めくデリーに帰ってきた

 デリーが近づくと人がにわかに増えて、活気が出てくる。牛も羊もらくだも人もゴミも家も混沌としている中に生気が漲っている。生きる原点がこの中にあるような気がする。
 デリーに帰って最初の観光は、ラクシュミー・ナーラーヤンというヒンドゥー教のお寺だった。靴を脱いで上がるのが懐かしい。

 中にはシヴァ神などが祀ってある、比較的新しい寺で、大財閥のビルラが罪滅ぼしのために寄進したので、ビルラ・テンプルとも呼ばれている。仏教寺院のようなしっとりしたところはなく、かなりけばけばしくてなじめない感じがした。


ラクシュミー・ナーラーヤンというヒンドゥー教のお寺

 現在インドの人口は約9億7000万人で、1秒に1人の割合で増えている。道ばたにあった人口表示板の最後の桁の数字が1秒ごとに変わっていた。これは恐ろしいことだ。死ぬ 人も多いインドで、生まれる人の方が遙かに多いということだ。10億を超えるのは時間の問題で、1人っ子政策をとっている中国をこのままでは追い越してしまうだろう。ただ、ガイドによると、生活が苦しいので、最近は2〜3人しか生まなくなったそうだ。


人口表示板の最後の桁が1秒ごとに変わっていた

 次に行ったのは勝利の塔と呼ばれているクトゥブ・ミナールだった。72.5mあるタワーで、下の方は赤砂岩、上部は大理石でできている頑強で高い塔だ。以前は上まで登れたそうだが、ある時停電になり、真っ暗な中でパニックに陥った高校生が、次々に転落して死亡したので、以後登れないように締め切ってあるという。


勝利の塔 クトゥブ・ミナール

 

 


 

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