またタクシーを頼んで、ロバニエミへ向かって凍てついた原野を走る。
 途中、日本スキー界の花形であるジャンプの選手たちが活躍したロバニエミのジャンプ台が遠くに見えて感激だった。そして、地平線に太陽が姿を見せてくれたときには、久しぶりに明るさが戻った感じで、うれしかった。
 


日本の選手も活躍したジャンプ台が小さく見える


久しぶりに太陽が見えたのはうれしかった

 ロバニエミの街に帰ると、今日2つ目の観光予定の北極圏センター(アーティキューム)へ行った。
 北極圏の生活や歴史がこと細かに展示されていて、厳しい寒さの中で暮らす人々の原始的とも言える強い生き方に、敬服する思いだった。四季のある暮らしよい日本に住めることへの感謝とともに、それに安住してはならないと言う警鐘が、耳の奥の方でかすかに響いてくるように思えた。


北極圏センターへ入る

 帰りは歩いて、マーケットに寄って買い物をしたり、街路灯の多い街の中を散策しながらホテルに帰った。

12月28日(木) 晴れ
 朝の飛行機だったので、早く準備をして、エアラインマイクロバスに乗り、ロバニエミ空港に出た。凍てついた原野にホワイトツリーが美しく、すべてが真っ白だった。暗い空に白い世界。本当に珍しい体験だった。
 座席指定もないローカルのフライトで、ロバニエミを後にする。空に舞い上がると、まん丸い太陽が大きく見えて、明るくて暖かくてうれしかった。
 今まで昼間の明るさは当たり前だと思っていたのに、明るさのない生活があることを身をもって知った。貴重な体験だった。


ロバニエミの街は湖に囲まれていた


 空路南へと進むにつれてその明るさが増してきて、むしろ眩しいくらいだった。
 ヘルシンキ空港に降りると、わずか30°くらいの角度で昇っている太陽が、とても明るく感じられた。スキーとスキーバッグを空港に預けておいて、身軽になってうきうきしながらヘルシンキの街へ向かう。
 郊外はホワイトツリーがまばゆいばかりに美しかったが、やがて街が近づくと、今度は欅並木の美しい通 りに、ちょっと古風な煉瓦造りのビルが連なり、ヨーロッパの伝統的な街並みをいくつも見てきてきたつもりの私たちだが、これほど美しい町並みは見たことがなかったように思える。
 


欅並木の街ヘルシンキに入る

急に大都会に入った感じだ




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