大聖堂の前の広場に臨時の郵便局があったので、康二の土産に記念切手を買ったが、ロンドンと違って、イタリア語は全然わからないので、適当なのを手にして、2枚で 500リラ(50円)のものにした。


サンピエトロ大聖堂前で(拡大)


 それから、真実の口のある教会に立ち寄り、その口に手を入れてみたが、あまた嘘を吐いてきている自分でも、手が抜けなくなることはなかった。そして再びバスで移動し、ローマの遺跡の丘に行った。壮大な遺跡だ。


ローマの遺跡をバックに(拡大)

 その遺跡の丘の穴蔵を利用しているベネチアングラスの店にも寄った。華麗で豪華なグラスの数々が絢爛たる美しさを放っていた。中には57万円もするというセットもあり、説明を聞きながらビデオを撮った。


ベネチアングラスの店で(拡大)

 次にコロッセオに行ったら、驚きは最高に達した。4万人の捕虜を使い、8年かかって造りあげた円形劇場の跡だ。地下から4階まであるが、実際には16階の高さがある。2,000人もの人に殺し合いをさせ、さらに、ライオンを入れて殺させ、それを見物したのだという。その残酷さとスケールの大きさは想像を絶する。




コロッセオの入口で(拡大)


 ローマでのホテルはアルバニホテルという中級のホテルだったが、部屋はピンク色の壁で、広々としていて、とても感じがよかった。
 夕食はレストランでカンツォーネを聞きながらのスパゲティだったが、1人1,000リラのチップを集めて回るのがイタリアらしかった。実に陽気な歌とジェスチャーに笑い転げた。



8月25日(金)晴れ


 朝 5:00 には起きて、準備をしておいて、ホテルの周りを散歩した。6:30 朝食。7:00出発という忙しさだったが、それでも、その寸暇を惜しんで二人で出かけた。早くからあいているタバコ屋のような店で、カプチーノとパンで朝食をとっている人もいた。とてもよい天気で、これで初日から4日間ずっと晴天が続いている。


 一行を乗せて出発したバスは、太陽道路と呼ばれている、アウトバーンに次いで世界で2番目と言われる高速道路をまっしぐらに南下して行く。ローマからナポリをめざして約 250 kmの道のり。道ばたには北海道に似た風景が続く。ブドウの栽培はイタリアが世界一だとは知らなかった。道路の両側にブドウ畑が続き、リンゴ畑もあり、オリーブ畑もあり、その他の野菜も作られている。ところどころ羊の群が草を食べていたりして、広々とした田園風景が続いていた。山と言うほどの山は見えず、遠くの小高い丘の上に古城らしきものが見えることがあった。


太陽の高速道路(拡大)


 まず初めに見たポンペイは圧巻だった。2,000年も前の大都市が、ヴェスビオ火山の大噴火で、一瞬にして埋まり、6mもの火山灰に覆われ、ちょうど昼食の時間だったので食卓だけが残り、人々は焼けこげて影も形も無くなった。その空洞になった火山灰の穴に石膏を流し込んだのち、掘り出したという人形を見て震えてしまった。城壁や壁画、上流階級の人の家、浴場、運動場、バーなどの跡がそのまま残っ
ていて、素晴らしく進んだ文化都市が 2.000年前に整然と栄えていたことを、信じられない気がした。




ポンペイの遺跡の石畳の道路(拡大)


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