今日の最後に、楽しみにとっておいたルーブル美術館に入った。新しく出来たピラミッドの入口から入ると、シュリー翼、ドノン翼、リシェリー翼という3つの棟があり、無数の絵画や彫刻が展示してある。オルセー美術館に比べて歴史的な絵画が多く、その数といい、スケールの大きさといい、圧倒されっぱなしだった。
ルーブル美術館のピラミッドの入口
特に「モナリザ」に対面した時は、胸がときめいた。写真で見ていたとおりではあるが、やはり美しい神秘的な絵だった。微笑をしているような、していないような、そして、眉毛がないような、謎を秘めた「モナリザ」は多くの人を引きつけて離さない感じだ。けれども、人だかりはそれほどでもなく、ビデオにもしっかり収めることができた。特に、帰るときにもう一度立ち寄った時は、人がとても少なかったので、辰子も入れて写
真を撮ることができてラッキーだった。
「ミロのヴィーナス」は時間の都合で遠くからしか見られなかったけれど、その姿は輝いて見えた。とにかく、作品のあまりの多さに頭がいっぱいで、とても口ではその感想を表現できない。じっくり見るには1ヶ月はかかるというと言われるわけがよくわかった。
帰りは2人だけで地下鉄に乗ったが、何とかうまく乗り換えも出来て、無事ホテルに着くことができた。ホテルではそれぞれの自由行動の成果 について話に花が咲いた。
9月1日(金)快晴
目が覚めてみると、7:30 になっていて、素晴らしい快晴になり、辰子はベッドから、朝日に輝くモンマルトルの丘が見えると、ご機嫌だった。
今日も午前中は自由行動だったので、荷物をまとめたあと、サンジャック駅から地下鉄に乗って、再びエッフェル塔に行った。晴れた空に涼しい風が快かった。まるで10月初旬のようで、半袖姿には涼しすぎた。
エッフェル塔には歩いて登った。エレベーターもあったが、パリの街をゆっくり眺めながら登ってみたかった。だんだんとパリの街が下に見えてきて、高所恐怖症の辰子はふるえながら登った。風が一層強くなり、寒くさえ感じた。展望台まで着くと、パリの街の全景が見回せた。
エッフェル塔から見たセーヌ川
1時間ほどでエッフェル塔を後にし、また地下鉄でホテルに引き返してみると、大変なことが起こっていた。
11:30までにチェックアウトするつもりで、部屋にわずかのしかし大切な荷物を置いていたところ、私がセーフティーボックスから貴重品を取り出して帰ってみると、一足先に帰った辰子が、悲鳴をあげながら部屋の掃除に来ていた黒人の女の子のゴミ袋の中をかきまわしていた。
次のページへ 前のページへ トップページへ INDEXpageへ