公園を通り抜け、7:00 までにホテルに着くつもりで歩いたが、ホテルのプルマンサンジャックまでは結構遠くて、辰子がハイヒールを履いていて歩きにくかったこともあって、少々オーバーしてしまった。


パリで2番目に大きいルクサンブル公園で(拡大)


 夕日に映えるパリの街が、ホテルの部屋からきれいに見えた。いろいろきつかったこともあったけれど、心を洗われるような素晴らしいものを数え切れないほど見た。一応見学は今日で終わり、明日とあさっては自由行動となる。二人は心を合わせて、ここまで楽しい旅行を続けてきた。きっとこれからは、今まで以上によい夫婦になれるだろう。子供たちにも、ヨーロッパの旅の成果を、二人で教えてやりたい。


 

8月31日(木)晴れのち一時小雨


 朝 6:30 ごろ起きてみると、辰子はまだぐっすり眠っていたので、そっと起きだし、ランニングシャツに着替えてジョギングに出た。
6:40 ごろだった。ホテルのプルマンサンジャックから、地下鉄のサンジャック駅を経て、一直線にシテ島を目指した。約 20分で、ルーブル美術館の近くまで行けた。それから、さらに真っ直ぐに北に走り、辰子が行ってみたいと言っていたモンマルトルの丘を目指したが、ホテルの部屋からはかすかに見えていた白い殿堂のサクレ・クール寺院がどうしても見つからず、とうとう東駅にたどり着いてしまった。ずいぶん方角が違っていた。ホテルを出て36分がたっていて、時間がない。仕方なく折り返していると、途中に地下鉄の地図があったので、それを見てやっと西に走って、モンマルトルの丘に出た。あたりを一瞥すると、大急ぎで引き返した。途中のカフェテラスはもう多くの人で賑わっていて、フランスの朝は早いと思った。朝食をカフェテラスで済ませて、仕事へ出かける人が多いようだ。


 ホテルに帰ると、8:00 過ぎだった。辰子も起きて準備を済ませて待っていたので、一緒に朝食に行く。遅い方だったが、今日は一日中自由行動の日なので、ゆっくりと食べた。
 自由行動の最初は、みんなで地下鉄に乗った。ところが2つ3つ駅を過ぎたころ、辰子がスリに狙われるという出来事が起こった。スリが辰子のハンドバッグのチャックをあけ、中身を取ろうとした瞬間、気配を感じた辰子がバッグを手元に引き寄せ、難を逃れた。2人のスリは仲間同士でケンカをしながらやがて止まった駅で降りていった。中にはパスポートも入れていたので冷や汗ものだったが、被害に遭わずに済んで、安堵の胸をなでおろし、以後一層注意するようになった。


 その後、二人だけで地下鉄を降りて、前から予定していたオルセー美術館に入った。遅くなると、長蛇の列で待たされると聞いていたので、早く来たのが幸いして、比較的空いていてゆっくりと見ることができた。
 教科書でよく見たアングルの「泉」やミレーの「晩鐘」「落ち穂拾い」があってドキドキした。また、モネの「笛を吹く少年」やゴッフの「自画像」などなんとなく懐かしいような気がして、親しみがわいた。


アングルの「泉」(オルセー美術館)


 
ミレーの「落ち穂拾い」の前で(拡大)


 ルノワールやセザンヌの絵も多くあり、ドガの「踊り子」やゴーギャンの「タヒチの女」などの個性の強い絵にも惹かれた。次から次とどの絵を見ても素晴らしく、時間のたつのも忘れていた。必死になってビデオも撮った。ビデオ撮影が許されるのは何ともありがたいことだ。帰ってじっくりと見るのが楽しみだ。


オルセー美術館の上階からの眺め(拡大)


 オルセー美術館を出ると、昼食を済ませ、昨日予約しておいた美容院行き、辰子が記念にパーマをかけてもらうことにする。パーマは2時間ほどかかったが、パリジェンヌのように、しかし無難に仕上げてくれた。


パリの美容院でパーマをかける(拡大)

 


 

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