夜のナイルに浮かぶ遊覧船の装飾は見事だった


夜のナイルを支配するセラトンホテル

12月30日(月)

 目が覚めてみたら6:30になっていた。少々焦ったが、まだ大丈夫と、大急ぎで洗面 を済ませ、一人でジョギングに出た。未知の街を早朝(時間がないので)、ジョギングで見て回るのが私の楽しみの1つだ。 6:45,半袖、半ズボン、わざわざ持ってきたジョギングシューズを履いて、まだ静まりかえっていて、掃除だけが始まっているロビーを抜けて、外へ出る。予定通 りナイル河畔を北へ走り、一つ目の橋を渡る。雄大なナイルの流れが、果てしなく続いている。


朝日に浮き上がったセラトンホテル

 対岸に着くと、まずカイロタワーの下まで行った。カイロに着いた日から、目に付いていた細くて丸い塔だ。それからまた、河畔に出て、昨夜夜景の中で際だっていたセラトンホテルまで行き、その入口から、ナイル川の岸辺に下りて、家族で船を出そうとしていた一家と「ハロー!」と声をかけ合って、ちょうど太陽がナイル川に映りながら昇ってきたのを仰ぎながら、ナイル川の水を手に掬ってみた。濁った水ではあるが、何となく懐かしい気がした。ケニアの近くから流れ出し、遙か6600kmの旅をして、先日訪れたアスワンや、ルクソールを経て、ここまで流れてきたのだと思うと、愛着さえ感じた。
 時間がないのでまた道路に戻って、走り続けながら、ふと不安がよぎった。近くに、向こう岸に帰る橋があるかどうか心配になったからだ。一番近い橋と橋を渡って、一周するつもりだったから、近くに橋がなければ、後戻りするしかない。しかし、それにはもう時間が足りない。ドキドキしながらもう少し走ってみようと思っていたら、幸い橋が見えてきた。何とか出発時間には間に合うように帰れると一安心して、再びナイルを渡って、メリディアンカイロホテルへと向かった。


私たちの泊まったメリディアンカイロホテル

 走りながら一番気になったことは、早朝でまだ人通りの少ない道路の、数百メートルごとに、拳銃を持った警察官が立っていたことだ。しかも必ず走っている私をじろりと見る。穏やかでない気持ちだった。
 ホテルに着くと、辰子が心配していた。1時間近くも経っていたからだ。こんなに走ったのも久しぶりだったが、疲れるほどではなかった。むしろ早朝のナイルの川風を受けて走った爽快感がうれしかった。

 午前中の観光の初めは、ムハンマド・アリモスクだった。カイロの街の高台に位置していて、壮大な構えは美しく華麗だ。


ムハンマド・アリモスクに着く

 細くて尖った塔と、円いドーム組み合わせが、まさにアラビアンナイトの世界だ。中に入ってびっくり。想像もしていなかった華麗な装飾に埋め尽くされていて、声を飲んだ。金と緑のアラベスク模様は何とも言えない神々しい美しさだ。傍らの塔は90mもあり、昔はてっぺんまで登って、お祈りを呼びかけたのだそうだ。今はスピーカーが大きく響く。
 

 


 

 

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