昼休みにクルーズ船の売店でガラベーヤ(エジプト式寛衣)を1着買った。値段は
£E20(20エジプトポンド)になっていたのを、言葉は通じないながら、とうとう£E10にまで負けさせて買った。康二の土産だ。
 午後はゆっくり船の流れるのにまかせて、部屋の窓からナイルの風景を眺めた。棗椰子の林が続き、時々バナナの畑も見える。牛が結構いるし、変わった黒い色をした山羊もいた。
 ガラベーヤを着た農夫がぽつりぽつりと見えた。時々魚釣りをしている人も見えたし、網を張って、櫂で水面 を叩いて漁る原始的な漁をしていた。なんとなく5000年前から、まったく変わらない風景ではないかと思ってしまった。


牛や農夫の姿には原始的なのどかさがある



 船に向かって陽気に手を振る人のおおらかさがうれしい

 午後3時前に今日の2つ目の観光地であるエドフのホルス神殿に行った。船から降りると、ここでは馬車に乗った。無数の馬車が次々と走って行き来する道路は、埃がすごくて、馬糞のにおいが鼻を突き、大変だった。 馬車の御者がまた、ボスの感じで恐ろしく、びくびくしながら馬車に揺られた。


ホルス神殿へと馬車が連なる

 5分も走ると、ホルス神殿に着いた。やれやれという気持ちで馬車を降り、神殿に入る。
 このホルス神殿も巨大で、しかもエジプトの遺跡の中で最も保存状態がいいといわれていて、崩れているところは全くない。これは古い神殿をグレコローマンの王であるプトレマイオスが建て直したもので、屏風風の門がすばらしく、中に円柱が立ち並び、全面 にヒエログリフやプトレマイオスとホルスの神が描かれている。


ホルス神殿の見事な外壁



ホルス神殿の内部の円柱は見事だ

 そして、ここの人物像には、グレコローマン時代の特徴である肩の丸みや、尻の突き出ているところや、女性の乳房の豊かなところがはっきり表現されていた。


レリーフにグレコローマンの特徴が見える

 夜、このモンタッスル号でのディナーパーティーがあるのが、もう一つの楽しみだ。






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