その後再びアスワンに帰り、アスワンハイダムの見学をした。ダムの広さは琵琶湖の7.5倍だそうだが、ダムそのものは土と石を積んで作ったロックフィールダムなので、黒部ダムなどのような華麗な姿ではなく、巨大な土手といった感じで、その上を走っていると普通
の道路と変わらない感じだ。
アスワンハイダムの堰堤をバスで走る 普通の道路のよう
ダムの下流側も穏やかだ
次にオベリスク(巨大な石の塔)の石切場を訪ねた。完成すれば高さが41mで、世界一になったというオベリスクが、途中で罅(ひび)が入ったため、切り出しが中断されて、岩の中に横たわっているのを見て、その巨大さに舌を巻いた。
石を切り出す仕組みは、まず石に切り込みをつけて、そこに楔を打ち込み、それに水をかけて膨張させると、きれいに割れるというわけだ。
石切場の巨大なオベリスク 中央の小さい人に注目
そのあと、ナイル川クルージングのモンタッスル号という船にたどり着き、ほっとする。今まであまりにも強行軍だったので、しばらく休憩がとりたい感じだ。クルージングの船室はまずまずのホテル並で満足できそうだ。
夕方5時からファルーカというヨットに乗り換えて、セーリングを楽しんだ。アスワンの流域を少し下って戻ってくるという1時間半程度の遊覧だったが、一番みものだったのは船頭のヌビア人のおじさんで、真っ黒な顔に年輪が刻まれた味わいのある顔立ちの人だった。みんなで次々と記念の写
真を撮らせてもらった。
モンタッスル号を後にしてファルーカを楽しむ
夕映えのナイルの川面をファルーカが滑る
ファルーカの船頭さんはヌビア人だった
ナイルの川面を渡る風が心地よく、穏やかな流れに身をまかせているうちに、やがて風がひんやりとしてきて、日が暮れた。
エジプトでまず体感したことは、気温の日較差(昼と朝夕の気温差)が大きいということだ。本当に朝夕は寒いし、昼間は暑い。
アスワンの夜景が川面に映える頃ファルーカを降りる