思い切ってウエットスーツを脱ぎすて、裸になってショートパンツだけの姿で風を切ってバンカーボートのスピードを楽しむ。海岸にはレジャー用のコテージが並び、白い綺麗なビーチと、所々に見える椰子の木の姿が南洋の島のイメージそのものだ。子供の頃には椰子の木の茂る島などに行けるなんて夢にも思えなかった。この年になって若者に混じって海に潜っている自分の幸せを思った。

 


陽気なバンカーボートの船頭さん

 


 

突堤に着いたが、辰子たちの海での講習の気配がない。まだプールでの実習が続いているらしい。さっさとボートを降り、一人足早に歩いて部屋に帰る。そして8ミリカメラを持って、再び海へ向かう。ちょうど辰子たちが海の方へ移動していたので、その後を付いて見学に行く。オープンウオーターの C カード取得のためのPADIの講習の一部がビデオに撮れるかもしれない。迷惑をかけてはいけないので、少し離れて付いていく。
 受講生は6人で、辰子が一人年輩の他はみんな若いお嬢さんたちだ。ミーティングでしっかり指示された後、器材の点検をして装備を着け、突堤の階段を下りて、ジャイアントストライド(足を前後に開いた形で立ったまま飛び込む方法)でエントリーする。


潜水前のミーティングが念入りに行われる

 


器材を着けた辰子

 



これからジャイアントストライドでエントリーする



心配そうに見ていたら辰子はOKサインをだした

 

 そして、2人ずつバディを組んで、ブイまで泳いで行き、順番に潜水していく。見ているとなんだか心配になる。自分でやるより見ていることの方が大変なことが、世の中には多くあるような気がする。
 みんなが潜ってしまうのを見届けたあと、のんびり水平線を眺めたりして過ごす。


いよいよ潜水が始まる

 



みんな潜っていって見えなくなる

 


 この何もしなくていい時間が持てることの幸せを思い、約1時間半をじっと突堤に座っていた。
 みんなが次々と浮かんできて、海での今日の講習は終わったが、ダイブショップに引き上げた後、まだしばらくログブック(潜水記録)の記入などで講習が続いた。




 

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