バスは台中市を過ぎ、一路中央山脈へと入って行く。新高山が聳えている。その他3,000mを超える山々が重なる。原始林に覆われていて、檜の特産地だという。明治神宮の鳥居が台湾の檜だそうだ。


パイナップル畑の向こうに火炎山という尖った山が見えた

 道路の脇に小さなガラス張りの小屋があって、中に美人の娘がいる。厚化粧をして、ミニスカートで足を組んだり戻したりしている。檳榔椰子という椰子の実を売っているのだそうだ。運転手がついつい買ってしまうというのも頷ける気がする。

 かなりの時間走って、中央山脈のふところへ登りつくと、日月潭が広がってきた。その傍らに文武廟という建物があり、これがとても華麗で、まるで日光東照宮を思わせる。

 文は孔子、武は赤い顔をした武将を祀っている。楼閣は奥へ3段になって続き、最上階の屋上から日月潭という湖が一望できた。そこから、対岸に、高砂族の酋長が今でも住んでいるという村が見えた。


文武廟の正面


文武廟の見事な楼閣

 日月潭とは、湖の形が、手前にSun(日)向こうがMoon(月)の形をしているので、Sun moon lake と名付けられたのだという。


柱にも見事な龍の彫刻がある


文武廟の最上階から日月潭を望む

 湖の中に光華島という小さな島がある。高砂族は首狩り族とも言われ、このあたりに鹿を追ってきて、鹿がこの湖に飛び込んで逃げたので、この湖に発見し、その子孫の一部が移り住んだのだという。九つの部族がいて、言葉はあるが、文字を持たなかったので、日本が統治したときに、文字を漢字で教えて、日本語教育がやりやすかったのだという。
 中部地区の観光はこれで終わり、再び台北へ帰る。昨日200km以上走って南へ下り、今日これからまた300km走って台北へ、そしてさらに基隆市の翡翠湾にある福華大飯店に泊まる。途中1時間足らず眠った。昨夜の寝不足を補うことができたような気がした。
 高速道路は40kmごとに180円ほどの料金で済む。料金所には20歳前後の女性ばかり。ピンクの制服にミニスカートで口には排ガス防除のマスクをして働いている。日本のおじいちゃんばかりの料金所とは趣を異にしている。
 福華大飯店はこれまた豪華なホテルで、別棟のレストランを設け、その地下にプール、サウナ、ジムなどもある。すぐ前が翡翠湾の海水浴場だ。夕食前に1時間ほど時間があったので、海に出てみると中くらいの波があったので、ボディー・サーフィンを楽しんだ。



福華大飯店はみごとなホテルだ

 



 

 

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