7月25日(火) 小雨

 サンチャゴ・デ・コンポステラ→ラコルーニャ

 朝、窓から空を見ると、暗い雨雲がたれ込めていた。そして少し雨も降っていた。昨夜の熱狂の花火が雨を呼んだのかも知れない。というより、サンチャゴは雨の町だというのを思い出して、困ったことになったと思いながら、身繕いをして、修道院を出た。
 
 とりあえず、カテドラルやサンチャゴの街並みを遠くから眺めてみたいということで、大聖堂に面したエラグーラ公園まで、通勤の人や、昨夜のお祭り騒ぎで、徹夜したらしい人の群の中を抜けて、数キロの道のりを歩く。

 ゴミが散乱し、雨に打たれて汚く、宴あとの空しさを露呈していた。
 雨は幸い小降りで、さして苦にはならない。公園内を歩いているうちに、ついに大聖堂を正面から見ることのできる場所に行き着いた。
 
 この眺めを見ると見ないのとでは、大違いになる。2つの高い塔、中央の塔、それに正面の荘厳な構えは威厳に満ちている。昨夜、火をたき、ライトに照らされ、花火に焼かれたとは思えない静寂のなかに、屹立していた。



 

 

 

エラグーラ公園から眺める雨に煙る大聖堂


 

 

 

 

 

 

 写真を撮って、満足しての帰途に、カフェバーに寄って、朝食を済ます。それから小雨の中を歩いて、大聖堂まで帰ってきて、またもや幸運に遭遇した。聖ヤコブ祭のセレモニーがちょうど始まるところだった。
カテドラルの前のスペイン広場の中央に紅色の式台が置かれ、そこに州知事らしき人が立っていて、やがて軍隊のマーチにのって、儀仗兵の行進が華やかに通り過ぎ、そのあと神父さんたちの行列が数十人も、ヤコブのご神体を祀る御輿を担いで行進してきて、聖堂の中へ入っていった。

この荘厳な儀式を多くの人が見守り、TVカメラやナレーターもいて、ものものしい風景だった。こんな儀式に立ち会うために、わざわざ計画しても、目の当たりにするのは無理かも知れないのに、前夜祭もヤコブ祭も見ることができて、実に幸運だった。


 

 

 

 

聖ヤコブ祭の先頭は音楽隊の行進
神父さ んたちが聖ヤコブのご神体を運ぶ

 

 

 

 

 

                                                    

 

 

                   


ご神体は大聖堂に入っていく

 

 

 

 カテドラルの中で、儀式はまだまだ続いていたが、中へは入ることができないので、入口からちょっと覗いてみたあと、修道院に帰って荷物をまとめ、出発した。タクシーが電話の混乱で呼んで貰えず、うろうろしたが、一般道に出たところで見つかり、ブス・スタチオンまで行く。案外近かった。二階建てのバスが、12:00に、ラ・コルーニャへと出発した。

緑に囲まれた、中央分離帯がちゃんと5mくらいは取ってある高速道路を、1時間ほど走って、ラ・コルーニャのブス・スタチオンに到着した。

ラ・コルーニャはすごい街だった。小さな港町を予想していただけに、白い高層ビルが林立するこの街を見て、びっくりした。大都会だ。しかも近代的な街に見える。特に、小さな白いガラス窓で覆われた、繊細な感じのするビルの景観に、思わず歓声をあげた

 

 

 


 

 




 

 

 

 

 

 


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