「しくらめん」6号(昭和58年度)より


「欠席」入選  欠席の言いわけ頭痛くなり   

「欠席」佳作  欠席の連絡すめば起きてくる  

「欠席」天位  欠席はすまいと風邪の子を送り 

「日記」入選  四日目の日記を今年は書いている

「交通」入選  運転に慣れたころにはもう違反 

「交通」佳作  抜いて行く自転車憎し渋滞路  

「交通」佳作  運転にその人柄が見えている  

「電卓」入選  電卓も持たぬ田舎の母の日々  

「電卓」佳作  電卓に馬鹿にされてる安月給  

「扇風機」入選  動くのは扇風機だけ夏の午後   

「扇風機」入選  飛ぶ髪も見棄ててしばし扇風機  

「扇風機」入選  扇風機かけて仕事に打ち込めず  

 「メガネ」入選  手に持ったメガネを人に探させる  

 「メガネ」人位  優しさがメガネの奥に見えている  

 「黒板」入選  黒板を写して後は大いびき    

   「黒板」入選  黒板の隅に小さく夢をかく      

「紅葉」入選  初雪にあわてたもみじ散り乱れ 

 「紅葉」佳作  きりのない紅葉を掃いて日を暮らし

「時計」入選  待ちぼうけ彼女時計を持たぬらし

「服」入選  兄弟が服が同じの七五三   

「服」佳作  よれよれの服で定年勤めあげ 

「服」佳作  服を脱ぎやっと心の殻も脱ぎ 

「手袋」入選  手袋を外した握手の手の温さ  

「手袋」入選  手で編んだ手袋心もあたたかい 

「ストーブ」入選  ストーブを囲んで話の花が咲き   

「ストーブ」佳作  ストーブも週休二日となる時勢   

 


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