しかし、そこでお寺よりも目を引いたのは、近くの幼稚園児たちが団体でお寺に、お参りというか、散歩に来ている姿だった。
 一人っ子政策のために、子供が少なく、中でも女の子が一層少なくて、大切に育てられている様子が、一目でわかる。
 家では6人の家族(父母・祖父母・曾祖父母)に囲まれて、小皇帝と言われ、わがまま放題に育てられているらしい。将来が心配だ、と言いたくなるが、いらぬ 心配だと言われそうでもある。


大切な小皇帝の一人っ子たち

 一人っ子政策というのは本当に厳しいらしい。2人目の子供を作ると、出産の費用は2倍はかかるし、罰金は数十万円ぐらいとか。月収2000円ぐらいの人にとって、何年分もの収入に当たる。また、戸籍もなく、したがって、小学校だけの義務教育も受けられないという。
 だから、このお寺の観音様に「男の子を生ませてください。」と祈願をかける人がひっきりなしだという。


金色に輝く六榕寺の観音様の像


 次は広州のシンボルだという五羊公園というところへ行った。干魃で広州が干あがっていたとき、天から五人の仙人と五頭の羊が降りてきて、羊が口にくわえていた稲の穂の籾を播いたところ、稲が稔って飢饉から救われたという伝説が残っているそうで、その五頭の羊の石像が見事に建てられていた。


五羊公園の羊の石像

 昼食は辛いことで有名な四川料理を、汗をかきながら食べた。麻婆豆腐、鯉の唐揚げなどが美味しかった。
 食後の休憩時間に、近くの公園を散歩して、子供たちを撮らせてもらった。


公園で会った子供たち みんな無邪気だ

 そして、再び列車で広州を後にし、香港へ向かった。特急列車で2時間。途中のビルの建設ラッシュには驚いた。今に中国は大きく繁栄する国になるだろうと感じてしまう底力と勢いをもっている。繁栄の上に乗っかって、うろうろしている日本の若者たちが、中国に追い越されてあわてる日が、もう目の前に来ているように思えてしまう。
 



列車の窓から香港のビル群が見えてきた

 夕食の後、100万ドルの夜景(現在は1千万$の夜景)といわれている、香港島からの夜景を見に行った。
 ニューヨークの夜景を、マンハッタンクルーズで見ていて、そのイメージがまだ脳裏に残っているので、1千万$の夜景といわれても、今一の感じがあったが、でも、ネオンの色が混じった東洋的な夜景の美しさは、シンガポールなどと並んで、抜群の美しさだ。


1千万$の夜景と言われる香港の夜景

 



 

   次のページへ       前のページへ       トップページへ