バンカーボート(船が横揺れしないように両サイドに揺れ止めがある船)が何艘も繋留してある。すでに2,3人の現地の人が準備をしていた。


突堤が延々と海に突き出ている

 赤銅色の肌で、目の色と髪が黒く、アジア系の人だとすぐ分かる顔立ちだ。「グッドモーニング!」と愛想がいい。しばらく海の空気を楽しんでから引き返した。
 部屋に帰ると辰子が朝の身支度をしていた。私も顔を洗って、今度は二人一緒に散歩に出て、少し8ミリビデオを撮った。
 そしていよいよ一日目が始まる。ダイブショップ・パシフィック・セブ・ダイバーズのレストランで朝食をとる。4切れの小さなパンとスクランブルエッグとウィンナーソーセージ2本。コーヒーはお代わりした。

 



ダイブショップのレンタル用の酸素ボンベやスーツ


 集合は8:15となっていたが、8時前にショップに行くと、早速レンタルのウエットスーツやマスク、レギュレーター一式を準備してくれた。靴も大きさを合わせてくれた。一緒に行動する5人のメンバーも決まっていて、ショップのホワイトボードに予定が記入してあった。



スタッフがその日のポイントとメンバーを決める

 私たちのインストラクターは Roy という陽気な若者だった。56歳にもなる私がメンバーになることをどう思っているだろうかと、ちょっと気になったりもした。
 辰子の方は今日一日学科講習と学科のテストがあるので、別行動となる。8:30から教室の机に向かって神妙にしているようだ。


パシフィック・セブ・ダイバーズの教室


 バンカーボートの準備ができたということで、9時過ぎに朝歩いた突堤を少し緊張しながらボートまで行く。2組10名が同じボートに乗って、マクタン島のポイントへ向かう。ほとんどが若い女性のダイバーで、ベテランらしい人が多い。海上は向かい風が強く、波も結構高い。ウエットスーツを着ているので、しぶきを浴びながら走るのも気持ちがいい。

 いよいよ午前中に潜る KONTIKI というポイントに着く。少しばかり不安があったが、真っ先に準備をする。マスクを掛け、フィンを付け、BCDに空気を入れ、ジャイアントストライドでドブーンと海に入る。メンバーみんなが海にはいるまでシュノーケルをくわえて待った。波があるので水面 はつらい。早く潜りたいのに10人が揃うにはかなり時間がかかった。
 Roy のレッツゴーの合図で、BCDの空気を少しずつ抜くと、スーと身体が海中に入り、沈んでいく。快感の時だ。荒波の世界から一気に静寂の海中の別 世界に入る。私はまだ初心者なので、インストラクターのすぐ傍をついていく。アドバイスを受けやすいからだ。 ところが私だけが途中でなかなか沈まなくなった。BCDの排気ボタンを押し続けても沈まない。すると Roy が浮上して鉛のウエイトを2つ持ってきて BCD のポケットに入れてくれた。それでやっと水深20mほどの海底まで沈み、中性浮力を確保できた。5kg のウエイトベルトを締めているのに、2kg 増やして7kg ものウエイトが要るのは変だと思ったが、Roy がいっこうに気にしないので、そのまま潜り続けた。

 


 

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