今こそ煮えたぎる溶岩はないものの、筆舌に尽くしがたい大規模なマグマの流れが島を覆っていて、ビデオカメラを回しながら、驚き続けていた。
地球の恐ろしさをまざまざと見せつけられる思いがした。
キラウエア火山の噴火当時の写真
噴火当時の溶岩の流れ
すそ野にはオヒヤの木といわれる、熱に強くて溶岩の流れに焼かれても再び息を吹き返して茂っている樹木が、一面
に茂っている。
焼け跡に再び茂っているオヒヤの木
赤い花を付けていて、あまり綺麗な木ではないが、この溶岩の中ではこの木しか育たないそうだ。
まず頂上の展望台から古い噴火口を眺め、それから、火口の傍まで下って、火口をのぞき込んだ。今でこそ火を噴いていないが、その爆発の大きさは想像を絶する。
頂上から見たキラウエア火山の古い噴火口
やがて反対側の火口の崖の上まで行き、火口の中をのぞいて見た。今は冷え切ったマグマに覆われ、片隅からガスが吹き出している所があって、不気味さを漂わせていた。
そして、この火口の背景にちょうどマウナロア山が、その名の通りシールド火山らしく、楯のようになだらかな台形の山となって巨大なアングルを形成している。4,170m
のこの山は、すそ野の広さと大きさにおいてはともに世界一だ。
冷えたマグマと火口壁となだらかなマウナロア山
その後、さらに下っていき、1974年に噴火した溶岩の流れを見た。驚きは一度では終わらず、その広がりといい海まで続く長さといい、また、固まったマグマを突き破って、新たに吹き出してきた荒々しい溶岩の塊といい、想像を絶する眺めばかりで、驚嘆し続けていた。
畑を耕したように盛り上がる新たな溶岩
溶岩の流れに腰を下ろす辰子