prologue

 「天国にいちばん近い島」というキャッチフレーズを、ある月刊誌のグラビアで見たことがあって、家内に「ニューカレドニアに行ってみない?」と言われたときそれが思い出されて、「ああ行ってみよう、前から行きたいと思っていたんだ。」と答えてしまって、この旅が決まった。2003年3月のことである。                                                                それからホームページを検索していろいろなサイトを見ているうちに、森村桂という人が、船に乗ってニューカレドニアへ行き、「天国にいちばん近い島」という本を出して有名になった島だということを知った。そういえばこれは今から35年前のことだというのだから、森村桂という人は私と近い年代だといえる。                                                              そのころの私は、きっと大ブームだったであろうこの本のことを知らなかったのだ。1年間の浪人生活を余儀なくされた私は、やっと地方の大学へ入学できたのだが、そのころまで良いことはほとんどなくて、森村桂流に言えば、まさに性悪説の芯からの信奉者で暗い性格だったので、当時流行の本にはわざと背を向けていたようなところがあった。それから30数年、多くの人に助けられながらここまで生きてきた。                 今このニューカレドニアへの旅に先駆けて、遅ればせながら「天国にいちばん近い島」と「続・天国にいちばん近い島」を読んだ。それはやっぱりすばらしく、感動的な内容だった。この歳(59歳)になって、もう遅いかも知れないけれど、これらの本を読んで、私もこれからは性善説的な生き方をめざそうという気になった。そんな気持ちで、3月22日、関空からニューカレドニア行きのAir Calin 機に乗ることになったのである。

 

  

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